公開 2020年1月14日
☆更新 2021年3月13日
筋膜リリースとは何?
NHKガッテンなど数々のテレビ番組で話題沸騰中の筋膜リリース。
筋膜リリースって何って聞かれると、未だによく分からない方も少なくないですよね。
筋膜リリースは、肩こり、腰痛はもちろん、ダイエットにも効果的なのです。
今回は、元痩身エステサロンオーナーの管理人が、今さら聞けない筋膜リリースについて効果・方法についてわかりやすく解説いたします。
目次
ガッテンで話題の筋膜リリースとは?わかりやすく解説
ユーザーさま 「筋膜リリースって何? 筋膜って本当にあるの? リリースってどういうこと?」
筋膜リリースとは、筋肉を包む膜・「筋膜」を正しい状態にすることです。
- 筋膜
→筋肉を包む膜 - リリース
→筋膜が歪んでる・ねじれてる、など、正しい状態にする
ユーザーさま 「なんとなくわかったけど・・ でもなんで急にこんなに騒がれてるの?」
筋膜リリースは急速に広まったため、未だにこのような疑問をお持ちの方も少なくありません。
筋膜研究者の第一人者は、首都東京大学教授・医学博士の竹井 仁先生です。
竹井先生が筋膜リリースと出会われたのが1996年のことです。
当時、アメリカのある理学療法士主催の講習会に参加されたのがきっかけでした。
単純に、日本でそれまで「筋膜」について深く知られていなかっただけなのです。
以来、竹井先生が筋膜の研究を続けられ、近年その存在がやっと世に認められ始めました。
周知の通り、今では「ガッテン」を始め、数々のメディアで取り上げられています。
https://www.youtube.com/watch?v=KGhl2VUJfOQ
では、わかりづらい筋膜リリースの仕組みを簡単にわかりやすく解説いたしましょう。
筋膜とは
ユーザーさま
初めて知ったけど…。」
確かに、それまで聞きなれない言葉なだけにピンと気にくいですよね。
megumi
皆様に身近な例では、鶏むね肉の「筋膜」をご覧になったことがあるのではないでしょうか。
これです!↓
この赤丸の中の透明の薄い膜が筋膜です。
鶏肉の筋肉構造って人間とそっくりで、この薄い膜と同様のものが人間にもあるんです。
筋膜とは、たんぱく質のコラーゲン繊維・弾性繊維から出来ており、その85%が水分です。
例えて言うならば、オレンジやレモンをぶった切ると白の筋がありますよね。
外側の皮が皮膚、果肉が筋肉とすれば、中の白い筋が「筋膜」です。
ところが、この「筋膜」は必ずしも筋肉だけを包んでいる訳ではないんです。
ファシア(Fascia)との違い
筋膜は、広くはファシア(Fascia)とも呼ばれます。
次のような、全身の細胞・組織を包む・通ってる膜は全部ファシアなんです。
- 脂肪
- 血管
- 神経
- 骨
ユーザーさま 「うん? ファシア=筋膜ってことで良いの?」
日本国内はそういう解釈になっています。
ただし、正確な解釈については専門家の間でも未だに議論中です。
ちなみに、医学用語では次のような解釈をしているようです。↓
本邦ではFasciaは「筋膜」、時に「膜」と訳されてきた経緯があります。
一方、Fasciaの意味で「筋膜」と表現されている場合もあります。
医学用語としては、筋膜は「myofascia」、膜は「membrane」です。
日本解剖学会の解剖学用語改訂13版には、Fasciaは筋膜Myofasciaを超えたものと説明されており、整形外科学会の整形外科学用語集(第8版)では「筋膜、あるいは腱膜」という言葉があてられています。
近年、このファシアも数々のメディアで取り上げられており、その効果が注目されてます。
しかし、ここでは「筋膜=ファシア」ということで解説をすすめていきます。
役割
筋膜が体に果たしてくれる役割は次の3つです。
- 体内組織を仕切る・作り分けて姿勢を保つ
- 組織同士が擦り合わないよう保護する
- 筋繊維を支え筋肉~筋肉の力の伝達を行う
http://www.triggerpoint.jp/about/index2.php
ユーザーさま 「はあ・・。それは具体的にどのような役割りをはたしてるの? じゃあもし筋膜が正常じゃないと体が動かないってこと?」
megumi
筋膜は、「第二の骨格」ともいわれている結合組織なのです。
全身にネット状に張り巡らされ、血管や神経の通路であり、かつ繋がってもいます。
つまり、筋膜は、日常動作、運動、代謝に大きな影響を与えていることは間違いないのです。
リリースする必要性
(※リリース→筋膜が歪んでる・ねじれてる、など、正しい状態にする)
筋膜リリースですが、全ての方がリリースしなければならない訳ではないです。
繰り返しになりますが、筋膜はコラーゲン・弾性繊維のため、非常に柔らかい組織です。
そのデリケートさゆえ、すぐに癒着、拘縮(ねじれて硬くなる)しやすいのです。
筋膜が癒着・拘縮すると、体内の血流が滞り、リンパ流れもわるくなります。
すると、現代人に多い次のような症状が起こる可能性があります。
- 関節・筋肉の痛み
- 肩こり・首こり
- 腰痛
- 体が硬くなる
- 慢性的な疲労感
- むくみ
- 肥満
- バストの下垂
- 顔のたるみ
筋膜は全身のあらゆる運動・代謝機能に 直結するため、様々な疾患に繋がります。
わかりやすい例で例えますと、白く固まったハチミツがあるとしましょう。
これがいわゆる筋膜が固まって癒着した状態です↓
そこで、筋膜リリースを行って、血流・リンパを流れやすくします。↓
すると、ハチミツが溶けてやわらかくなり、食べられる状態になります。
筋膜をリリースした結果、このような正常な状態になると言うことです。
もうひとつ例を挙げますと、錆びついて開閉しにくくなった引き戸があります。
しかし、以下のように潤滑剤を吹き付けると開閉がスムーズになりますよね。↓
この場合、次のような図式となります。
- 引き戸を固めてる錆び =癒着した筋膜
- 潤滑剤 =筋膜リリース
つまり、筋膜リリースを行うと固まった部分が滑らかになり、潤滑剤の役割を果たすのです。
結果、体の血流を改善し、パフォーマンス向上効果が期待できます。
竹井流!セルフストレッチのやり方
筋膜リリースには器具を使うなど様々な方法があります。
しかし、ご自身でいつでもどこでも体ひとつで簡単に行うことも可能です。
ここでは、竹井先生提唱の自宅で簡単にできる筋膜リリースストレッチ法をご紹介します。
このストレッチは主に次のような効果が期待できます。
- 体質改善
- ダイエット・代謝アップ
- 猫背・姿勢矯正
- 肩こり
- アンチエイジング
- 美肌効果
竹井先生は、この方法を毎日行うことで体質改善効果になることを示されています。
上記の症状に該当される方は、ぜひ生活の中にこのストレッチを取り入れてみましょう。
①見返り美人リリース
(※イラストは右から順にご参照ください。
左←右)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000012109.html
まず、腰よりやや低い高さのテーブルを用意してください。
①左手はテーブルに置き、右足は膝を曲げて前に出します。
反対の左足はまっすぐに伸ばしてください。
↓
②足をそのままの状態にして右手を図のように天井に向かって高くあげます。
反対に、足は 床にのめり込んでいくように重心をかけ、20秒リリースします。
↓
③次に上半身をくるっと右向きに反転させ、右手を斜め後方に上げ20秒リリースします。
↓
④右手は挙げながら、今度はテーブルに左ひじを曲げながら置いて20秒リリースします。
反対側も同様に行ってください。
(※この場合のリリースとは、腕を伸ばした状態で静止して体勢を維持することです)
肩甲骨・時計回り体操
(※イラストは右からご参照ください。
左←右)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000012109.html
①左手は頭上に上げ、右手は背中の後ろに直角に肘を曲げます。
↓
②肘を曲げたまま、両方の肩甲骨を後ろから見て時計回りに腕を動かしていきます。
回した位置で最低5秒は静止してください。
また、①の構えに戻ってください。
↓
③④は、①②にと逆方向で同じことを反時計回りに行ってください。
本格的なセルフケアにはローラーがおすすめ
セルフケアをさらに効果的に行う上で、専用のローラーを使うのもポピュラーな方法です。
筋膜リリース専門ローラーメーカーとして有名なのが、「トリガーポイント」です。
使い方はとても簡単で、筋膜リリースを行いたい場所にローラーをあてて転がすだけです。
ただし、筋膜リリースは正しい方法で行わなければ効果の実感はできません。
トリガー公式サイトの動画などで効果的な使い方をよく研究しましょう。↓
http://www.triggerpoint.jp/video-instructions/
ユーザーさま
結論から言いますと、正しくやればどちらも効果はあります。
ただ、脚、 腕など部分ケアを集中して行いたい場合は、ローラーを使うほうが効率的です。
肩こり解消、太もも、ふくらはぎの部分痩せにおすすめです。
また、スポーツをされてる方などが、その部位の運動効率を上げたい方にもおすすめです。
一方、ローラーと一言に言っても、ポリウレタン、EVAなど素材は様々です。
それぞれの違いを簡単に言えば、「硬さ」「構造」による体感が異なります。
おすすめの選び方としては次のようになります。
- 運動の苦手な方・初心者
柔らか目のポリウレタン・PVCがおすすめ - 強度の高い運動が得意な方・アスリート
硬めのEVAがおすすめ
運動が苦手な方や初心者の方がいきなり硬めのローラーを使うと筋肉痛になります。
反対に、アスリートの方が柔らかめのローラーをあてても筋膜への刺激になりません。
ご自身の運動経験や目的に応じて、ローラや器具を正しく使い分けましょう。
プロに頼る方法の種類・通常のマッサージとの違い
筋膜リリースはダイエットにも効果絶大と話題です。
質問者さま Q.筋膜リリースのダイエット効果は? 痩身エステでの筋膜リリースコースが気になってます。 しかし、筋膜リリースで脂肪燃焼できるんですか? また、イマイチ次の点もギモンです。
目的の違いです。 megumi
結論から言いますと、凝りをほぐす、脂肪燃焼に「リンパを流す」結果は同じです。
どの場所で受けるかによって「目的」が異なります。
筋膜リリースが受けられる場所
筋膜リリースは、マッサージ、スポーツ医学など様々な分野で活用されています。
プロの手を借りて行う場合は、主に次のような場所で受けることができます。
ただし、筋膜リリースですが、目的が各々異なります。
①医療機関・理学療法士による治療
<目的>
・痛みなど疾患に対する対処・治療
②鍼灸院・整骨院
<目的>
・痛みなど疾患に対する対処・治療
・ダイエット
※割合は治療目的が多い
③痩身エステサロン
<目的>
・ダイエット
どの施設で行っても、純粋に筋膜リリースだけを行うことが少ないです。
他のマシンや他方法と併用し、その目的に対して最大限のことを行います。
もちろん、それぞれの分野に精通したプロが施術を行いますので、効果も異なります。
通常のマッサージとの違い
通常のマッサージと筋膜リリースは手技方法が異なります。
- マッサージ
→皮膚の表面に近い部分 - 筋膜リリース
→皮膚のやや深部
通常のマッサージは、皮膚~浅い脂肪層の部分までのリンパを流します。
行う手技によっては、 「浅筋膜」に触れているものも多く存在します。
ただ、それは必ずしも筋膜をリリースすることに着目した手技内容ではありません。
一方筋膜リリースは、①医療機関、②鍼灸院・整骨院など疾患治療の場合には「深筋膜」をリリースします。
ポピュラーなものとしては筋膜炎など、何かしらの炎症に対処するためです。
しかし、場合によってはかなりの激痛が伴うことがあるため、施術者の技術が問われます。
このように通常のマッサージと筋膜リリースは手技方法が違い、また、筋膜リリースは一見同じでも、やっていることが施設で異なるのです。
ダイエットに効果絶大の理由
筋膜リリースはダイエットにも絶大な効果を発揮してくれます。
前項で述べましたように、筋膜リリースを行うことで血流改善効果が期待できます。
すると、次のようなダイエットに繋がる効能が期待できます。
- 冷え、むくみ改善
- 疲労回復効果
- 老廃物排出促進
- 代謝アップ
- 運動・パフォーマンス効果アップ
特に最後の運動効果アップは現役アスリートも着目しています。
筋肉が動かしやすくなると、全身のパフォーマンスが飛躍的に向上します。
同じ30分の運動を行っても結果が大幅に異なるからです。
つまり、筋膜リリースを行うことにより、痩せやすい体質に導いてくれるのです。
筋膜リリースを毎日の生活に摂りいれ健康体やダイエットに生かそう
megumi
今回は、話題の筋膜リリースの効果・メカニズムについて詳しくお話させて頂きました。
まとめますと、筋膜リリースは首都東京大学の竹井 仁先生が提唱されている新理論です。
筋膜リリースとは、筋肉を包む膜・「筋膜」を正しい状態にすることです。
筋膜は筋肉を覆うだけでなく、次のような体の全ての組織を覆う重要な膜です。
- 脂肪
- 血管
- 神経
- 骨
筋膜が体に果たす役割は次の3つです。
- 体内組織を仕切る・作り分けて姿勢を保つ
- 組織同士が擦り合わないよう保護する
- 筋繊維を支え筋肉~筋肉の力の伝達を行う
このため、筋膜は第二の骨格とも呼ばれる、体にとってなくてはならないものです。
筋膜はコラーゲン・弾性繊維で非常に柔らかく、癒着、拘縮(ねじれて硬くなる)しやすい特性があります。
筋膜が癒着・拘縮すると、現代人に多い次のような症状が起こる可能性があります。
- 関節・筋肉の痛み
- 肩こり・首こり
- 腰痛
- 体が硬くなる
- 慢性的な疲労感
- むくみ
- 肥満
- バストの下垂
- 顔のたるみ
筋膜リリースの方法には次の2通りあります。
①ストレッチ・ローラーなど器具を使うセルフケア
②医療機関・整骨院・痩身エステなどのプロを使う方法
一方、筋膜リリースは主に次のようなダイエットに繋がる効能が期待できます。
- 冷え、むくみ改善
- 疲労回復効果
- 老廃物排出促進
- 代謝アップ
- 運動・パフォーマンス効果アップ
筋膜リリースはその方の目的により選択するべき方法が異なります。
まず、毎日の生活でセルフケアの筋膜リリースを摂りいれるところから始めましょう。
そして、セルフケアが面倒、さらなる結果を早期に求めたい方はプロの手を借りることをご検討ください。
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